国広大鑑所載 郷義弘写し 刀 銘 洛陽一条住信濃守藤原国広造 慶長十五年四月四日 Katana(Kunihiro) |
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詳細説明 国広は、もと九州日向の飫肥の城主であった伊藤家に仕えた武士で、同家が没落したのち諸国を遍歴しつつ鍛刀の技術を磨き、その間各地で作刀した。慶長四年以後は、京都一条堀川に定住し、多くの優れた子弟を育て、慶長十九年に歿したといわれる。彼の作風は概ね二様に大別され、堀川定住以前の作には末関風のものがみられ、定住後はそれらのものと作風を異にして相州上工に範をとったと思われるものが多い。この刀は、身幅が広く、元先の幅差があまりなく、鎬が高く、反り深くつき、中鋒の堂々とした体配を呈している。鍛えは大板目に杢目・流れ肌等を交えて、地沸つき、地景が入り、刃文は直刃を基調に小互の目が交じり、物打辺焼幅広く、互の目を交えて華やかとなり、沸つき、さかんにほつれ、砂流しかかり、金筋が入り、帽子は焼深く、さかんに掃きかけて火焔となるなど、総じて大和色の濃い作域であり、上記の出来口から勘案して、古作の郷義弘を狙ったもの推測される。本作は、おそらく神仏に奉納する為に作刀したものと思われ、姿が豪壮で手持ちがズッシリとした体配はいかにも好ましく、なお一寸あまりの生ぶ刃をも残してその健全さを保っている。 |
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第37回重要刀剣 NBTHK No,37Jyuyo Paper 日本美術刀剣保存協会 第37回重要刀剣指定書 |
NO.K00150 | |||
刃長:73.95.cm (2尺4寸3分9厘) 反り:2.2cm 元幅:3.45cm先幅:2.5cm 元重:0.8cm 先重:0.5cm |
参考品 | |||
国:山城国(京都府) 時代:江戸時代初期 |
登録証 | |||
新潟県 | ||||
形状:鎬造、三ツ棟、身幅広く、元先の幅差があまりなく、鎬幅高く、反り深くつき、中鋒の堂々とした体配を呈している。 鍛:大板目に杢目・流れ肌等を交えて、地沸つき、地景が入りる。 刃文:刃文は直刃を基調に小互の目が交じり、物打辺焼幅広く、互の目を交えて華やかとなり、沸つき、特に物打辺は荒目の沸が交じりややむらとなり、さかんにほつれ、砂流しかかり、金筋よく入り、淡く棟焼かかり、匂口沈みごころとなる。 帽子:表は焼き深く、沸くずれて頻りに掃きかけ火焔となり、表は直ぐごころにやや大丸風となり、さかんに掃きかける。 茎:生ぶ、先栗尻、鑢目大筋違、目釘孔一。 |
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白鞘 |
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