甲冑の名称について


立物(たてもの)

兜に付く立物です。建物とも書き、江戸時代には俗に“験金”(しるしがね)とも呼ばれている。装飾品としての要素だけではなく、個人の標識ともなり、足軽にとっては合印ともなるものであった。立物の取り付ける位置は兜の前・後・両脇・頭上などである。その取り付け位置により前立・後立・脇立・頭立などと呼ばれている。立物のデザインは、動物・植物・器物などをモチーフにしたものや、信仰心を表したものなど多種多様である。

面頬(めんぽう)

顔面を守るもの。材質は鉄が原則とするが、革も多く見られ、稀に張抜(紙製)も用いられている。形式は半首(はつむり)・額当・総面・頬当の四種類がある。

兜・兜鉢(かぶと)(かぶとばち)

兜鉢は、1枚の鉄板を打出した1枚張と数枚の鉄板を張合わせたものとがあり、後者には突起した鋲を鉢表面に打つ星兜鉢や、張合わせた板の縁を曲げて筋を立てた筋兜鉢などがある。

袖(そで)

左右一双で肩や上腕部を守るもので、大袖・広袖・壺袖・当世袖などの種類がある。

胴(どう)

身体を守るもの。形式は大きく分けて丸胴・二枚胴・五枚胴などがあり、札と板の形から札(小札)・伊予札・本小札・板札などがある。その名称から本小札胴・桐付小札胴・伊予札胴・桶側胴などと呼ばれている。その他に西洋甲冑の胴を用いた南蛮胴などもある。

籠手(ごて)

腕から手甲までを守るもので、種類は極めて多い。材質は、絹・木綿・麻・毛織物を家地とし、鎖には一般に鉄・真鍮を用いる。

佩楯(はいだて)

大腿部・膝などを守るもの。材質は、絹・木綿・麻・毛織物を家地とし、板札には革・鉄鎖には鉄や真鍮を用いる。

臑当(すねあて)

膝から足首までを守るもの。材質は、絹・木綿・麻・毛織物を家地とし、板札には革・鉄鎖には鉄や真鍮を用いる。

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