商品詳細

久松家伝来
刀 無銘 左弘安
(附)元禄拾弐年本阿弥光忠折紙
(付属)白檀塗鞘刀拵
  Katana(Sa-Hiroyasu)

商品番号NO.K00189価格参考品
登録証愛媛県
鑑定書第19回特別重要刀剣 NBTHK No,19 Tokubetsu  Jyuyo Paper (公財)日本美術刀剣保存協会 19回特別重要刀剣指定書
筑前国
時代南北朝時代
刃長67.0cm (2尺2寸1分)
反り1.3cm
元幅2.95cm
先幅2.4cm
元重0.7cm
形状鎬造、庵棟、身幅広く、元先の幅差目立たず、重ね薄く、反り浅くつき、中鋒延びる。
板目に杢・流れ肌交じり、処々大板目を交え、肌立ち、地沸つき、地景細かにさかんに入り、地斑交じり、淡く沸映り風立つ。
刃文互の目乱れに小互の目・小のたれ・小乱れなど交じり、裏物打辺は浅いのたれ調に小互の目を交え、総体に小模様となり、足・葉入り、沸厚くつき、ややむら立ち、金筋・砂流しかかり、処々小さな湯走り状の飛焼交じり、匂口沈みごころとなる。
帽子表小さく乱れて小丸に深く返り、先強く沸づいてさかんに掃きかけ、裏乱れ込んで先地蔵風に尖りごころとなり、やや深く返り、掃きかける。
大磨上、先切り、鑢目筋違、目釘孔三。
附属品白鞘・元禄拾弐年本阿弥光忠折紙・覚書・礼状(コピー)・白檀塗鞘刀拵・金着二重ハバキ
詳細説明左弘安は左文字の流れを汲む一門の一人で、行弘の子と伝えている。現存する作刀に正平二十年紀、また「埋忠押形」所載のものに正平十三年紀があり、凡の活躍年代を知ることが出来る。現存する在銘作は短刀に限られる。この刀は、大磨無銘ながら、身幅が広く、元先の幅差が目立たず、反り浅く、中鉾の延びた造り込みを呈しており、南北朝期という時代色が反映された形状を示している。鍛えに地景が細かにさかんに入り、焼刃は厚く沸づいて、刃中の働きも豊富で、地刃に力強さがあり、堂々とした姿形と相俟って覇気が感ぜられる。加えて焼頭に処々湯走り状の飛焼がかかり、互の目が目立つ点から、弘安の所伝は首肯される。同工極めの優品で、久松家伝来の一口である。久松家の伝来を証明する覚書が現存していて、付帯する白檀塗拵と共に久松家に代々受け継がれてきたことが伺える。なお本作には元禄拾弐年本阿弥光忠代金子弐拾枚の折紙が附帯している。
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