商品番号 | NO.K0089 | 価格 | 参考品 |
登録証 | 東京都 昭和48年5月24日 |
鑑定書 | 第34回重要刀剣 NBTHK Jyuyo Paper No.34 )(公財)日本美術刀剣保存協会 重要刀剣指定書 昭和63年4月14日指定 |
国 | 江戸国 |
時代 | 江戸時代末期 |
刃長 | 71.4cm (2尺3寸5分) |
反り | 1.6cm |
元幅 | 3.4cm |
先幅 | 2.4cm |
元重 | 0.7cm |
形状 | 鎬造、三ッ棟、身幅広く、鎬幅広め、反りやや深くつき、中鋒延びる。 |
鍛 | 板目つみ、処々大板目・杢・流れ肌交じり、地沸つき、地景風の変り金交じり、幽かに映り立つ。 |
刃文 | 丁子に互の目・尖り刃・角がかった刃など交じり、足長くよく入り、匂勝ち小沸つき、細かに砂流しかかり、金筋風入り、飛焼僅かに交じる。 |
帽子 | 乱れ込んで、先突き上げて尖りごころに深く返る。 |
茎 | 生ぶ、先栗尻、鑢目大筋違に化粧つく、目釘孔一 |
附属品 | 白鞘(薫山先生鞘書有)・金着一重ハバキ、 藤代名刀図鑑第二十四集所載 |
詳細説明 | 直胤は、安永七年に出羽国山形に生まれ、本名を庄司(荘司)箕兵衛(美濃兵衛)と称し、大慶と号した。文政四年頃に筑前大掾を受領し、嘉永元年に上洛して美濃介に転じている。若年の折に江戸に出て、水心子正秀の門に入り、後に師同様に秋元候に仕え、水心子門下の逸材となった。彼は、晩年、三度の長旅に出て各地で鍛刀しており、それぞれの地名や刻印が同作には見られるが、この久居打は、初回の天保二年の夏から天保三年の夏頃までの旅で作刀したものである。この旅は、伊勢神宮の参詣を中心に、相州二の宮、伊豆の三島大社、及び韮山、修繕寺、遠州浜松、伊勢の久居、伊勢神宮をまわって江戸にもどるというものであった。大慶直胤の作にはこの刀と同年紀、すなわち、天保三年五月日紀の伊勢打がある。直胤と川部正次両人の合作刀で、銘文に「奉納天照皇太神」とあることから、伊勢神宮に奉納する目的で造られたものである。そして、その駐鎚地が伊勢神宮にほど近い久居町であった。この刀は「久居打」と称する非常に有名な一振である。本作は、身幅が広く、鋒が延びて堂々とした体配に幕末という時代色を示しており、彼の最も得意とした備前伝をあらわして成功している。直胤会心の一口で、出来が優れている。なお本作は代表作の名刀を集めた藤代名刀図鑑に所載されている。 |